専門獣医師が解説するセキセイインコの関節痛風〔Ver.2〕指の白いぶつぶつ

関節痛風

セキセイインコでは関節痛風が特異的に好発し、老鳥で発生します。診断には血液検査や針生検査などが必要となり、鳥にとって侵襲が大きいので、以下のような症状が見られるため、その症状から診断されることがあります。

  • 指に黄色や白い結節ができる
  • 趾の関節が腫れる
  • 止まり木をつかみたがらない
  • 脚あげて、趾をかむ

関節部分に黄白色の結節(尿酸結節)が見られます。最初はあまり目立ちません。

セキセイインコ痛風
セキセイインコ痛風

 

症状が進行すると脚の関節が腫れ、止まり木をつかみたがらなくなります。

セキセイインコ痛風
セキセイインコ痛風

 

次第に尿酸結節は大きくなり、はっきりとしてきます。

セキセイインコ痛風

疼痛のために脚を居城し、自ら趾かむようになります。痛みが増すと、食欲や活動性が低下し、膨羽などの全身症状が表れることもあります。全身症状まで見られると、治療してもあまり延命できないことが多いです。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。