はじめに
GnRH作動薬はGnRHアナログ製剤(GnRH類縁体)に分類されます。GnRH受容体に結合してGnRHと同様の作用を発揮し、現在、動物において主要な可逆的繁殖および闘争抑制方法として使用されています。徐放性のGnRH作動薬を投与すると、一過性に性腺刺激ホルモンの分泌が促進されて性ホルモンの分泌が活発化しますが、その後も外因性のGnRHが長時間作用することで性腺刺激ホルモンの枯渇やGnRH受容体数の減少を引き起こし、最終的に性ホルモンの分泌が抑制されます。このような機序からGnRH作動薬を投与することで、性ホルモンに起因する症状を緩和させる治療薬として注目されています。なお、これらの薬剤はエキゾチックアニマルにおいては適応外使用になります。
GnRH
GnRHは哺乳類の生殖機能の主要な調節ホルモンで、視床下部の特定のニューロンによって合成され、拍動放出されるデカペプチドホルモンです〔Schoemaker 2018〕。下垂体門脈血は GnRHを下垂体に送達し、そこで GnRHは特定のGnRH受容体に作用して、ゴナドトロピンであるFSH (卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)の合成と放出を活性化します。FSHとLHは生殖腺(および副腎にも低い程度は作用する)を刺激して、エストラジオールやテストステロンなどの性ステロイドホルモンを生成します。適切なホルモン放出を均衡にするために、負のフィードバックメカニズムも存在します〔Schoemaker 2018〕。
長時間作用型GnRHアゴニスト
GnRHアゴニストは高活性のLHRH誘導体で、作用機序初期(フレアアップFlare-up期)はGnRH受容体を刺激し、 LHやFSHの一時的上昇が起こり、 性ホルモン(エストロゲン/テストステロン)の一過性増加を生じます。しかし、継続投与後(Desensitization期)はGnRH受容体のダウンレギュレーションにより、 LHやFSH の産生低下による性ホルモンの抑制、 結果として性ホルモン依存性の症状(副腎疾患や慢性発情)が軽減します。GnRH作動薬を投与した直後にみられるフレアアップ期は、雌では発情および排卵誘起が起き、雄では精子形成およびテストステロン産生が一時的に促進される可能性もあります。つまり、投与開始後の数週間は、攻撃性の増大やマーキング行動の悪化など、標的とする臨床症状が一時的に悪化する可能性があります。この現象は治療の失敗ではなく、薬理作用の正常な第一段階であることを飼い主に事前に説明し、理解を得ておくことが、治療継続性を確保する上で不可欠です。そのため、フレアアップ期においては、雌雄分離あるいは雌への合成プロジェステロン製剤投与によって、交配や妊娠を回避す必要性も示唆されています。イヌでは雌に投与した後、雌雄分離を2~3週間することで妊娠を回避できますが〔Fontaine et al.2011〕、雄に投与した場合は精子の活性と精子量低下まで1ヵ月以上かかることもあります〔Romagnoli et al.2012〕。哺乳類や鳥類の慢性発情や雌性生殖器疾患、フェレットの副腎疾患において、リュープリンとデスロレリンが使用されています。
リュープリン
リュープリンの商品名で、一般名は酢酸リュープロレリンになります。リュープロリド酢酸塩を内包した生分解性ポリマーのマイクロカプセルで構成されるデポ懸濁液が主流で、これらの製剤は筋肉内または皮下に投与される注射で、数週間から数ヵ月にわたり薬剤を持続的に放出します 。酢酸デスロレリンのインプラントが最近広く利用されるまで、リュープリンは、エキゾチックペットの哺乳類で使用される唯一のGnRHアゴニス製剤でした。人医での適応適応症は前立腺癌、子宮内膜症、子宮筋腫などです。リュープリンは通常は4週間持続するタイプが使用されますが、リュープリンSRは12週に1回、リュープリンPROは24週に1回の投与で効果が持続するタイプの注射もあります。そして、使用による耐性の発現はないとされていますが、人ではリュープリン投与部位における肉芽腫など副作用が報告されています。
動物への投与
リュープリン製剤はバイアルにせよキット製剤にせよ、エキゾチックペットへの投与量が少ないため、溶解後はインスリン用シリンジに分注して冷凍保存し、必要に応じて解凍し使用します。


使用の問題点
動物への投与では溶解後に冷凍保存をすることから、劣化する可能性が示唆されています。実際に薬剤を新品に変更すると同用量で安定した発情抑制 効果が得られた報告もあります。放製剤であることから長期保存の間に成分が徐放され、効果が不安定になることか考えられました。したがって、継続投与の症例で発情抑制効果が不安定になった際には新品との変更も考慮すべきです。また、使用した保存薬液によって効果の発現にも差が認められたことから、作成方法や保存方法の不備など要因が効果に関与している可能性も考えられました〔野中ら 2021〕。

デスロレリン
Suprelorinの商品名で、一般名は酢酸デスロレリンになります。GnRH作動薬ですが、デスロレリンは、4.7mg含有と9.4mg含有の2つのインプラント剤として、雄犬の避妊目的で開発され、それぞれ6ヵ月、12ヵ月有効期間があるとされています。日本では承認されていないため、海外から輸入して使用するしかありません。欧米の動物園では哺乳類をはじめ,多くの動物種の避妊目的で推奨され〔Agnew et al.2021〕、デスロレリンはGnRHの100倍以上の効力を持つ最も強力な薬剤ともされています〔Schoemaker 2016〕。現在、外国の一部ではフェレットの副腎皮質疾患などの特定の疾患の治療のために、承認されています〔Lucas 2014〕。
哺乳類への応用
サル
繁殖および闘争抑制が認められた霊長類の長時間作用型GnRHアゴニスの治療報告として、シシオザルのオス〔Penfold et al.2021〕やアカゲザルのメス〔Carroll et al.2022〕などがあげられ、霊長類の多くの種でデスロレリンのインプラントが推奨されています〔Asa et al.2019〕。しかし、コモンマーモセット〔Rosenfield et al.2016〕やワオキツネザル〔Carbajal et al.2018.〕での投与例において、一定の投与量では繁殖抑制の効果は得られなかったという報告があり、また繁殖抑制効果は用量依存的であるという報告〔Penfold et al.2021〕もあることから、動物種毎の投与量について検証が必要と思われます。大きな副作用については現在報告されていませんが、GnRH 作動薬の抜去後に繁殖可能になるまでに時間を要することや、投与を繰り返すと繁殖抑制の効果が薄れる可能性があることに留意する必要があるかもしれません〔Asa et al.2019〕。
フェレット
副腎皮質機能亢進症はフェレットでは一般的な疾患です。臨床徴候のみでも容易に診断可能であり、進行性対称性脱毛、搔痒、避妊去勢手術個体での外陰部腫脹、性的攻撃、および前立腺疾患による排尿困難などが特徴的な症状になります。フェレットは幼若な年齢で行われる生殖腺切除処置が、視床下部の生殖腺からの負のフィードバックの喪失をもたらし、ゴナドトロピンの持続的な放出と副腎のLH受容体の長期にわたる刺激をする。これは片側または両側の副腎の肥大または新形成(腺腫、癌腫)を引き起こす可能性があり、ステロイドホルモンの上昇を伴う。フェレットの性腺切除時の年齢と副腎皮質機能亢進症には相関関係があり、副腎皮質機能亢進症の発症は平均3.5年である。副腎摘出手術は病変を除去することができるが、手術と全身麻酔にはリスクとコストを伴う。中高齢のフェレットは、多くの併発疾患も起こる。さらに両側の副腎が同時に罹患することが多く、手術が困難になる可能性もある。右側副腎の完全切除は静脈に近接しているため困難である。これらの理由から、副腎皮質疾患の治療のための選択肢として、手術よりもGnRHアナログ製剤の投与が選択されることがよくあります。リュープリンの注射は、副腎皮質疾患に関連する臨床徴候を軽減するのに効果的であることが示されている。逸話的であるが、報告された投与量は、100~250μ/kg IMである。フェレットは時間の経過とともに治療に抵抗性を示すようになると言われているが、これはおそらく副腎腫瘍によるLHによる調節が失われることが原因の一つとされている。副腎皮質疾患を有するフェレット20頭では、100μg(100~150μ/kg)の酢酸リュープロライドを筋肉注射で単回投与すると、ステロイド濃度が有意に低下し、症状が改善した〔Wagner et al.2001〕。症状の再発までの平均期間は 3.7±0.4カ月であった。治療前と治療後 3~6週間に副腎の超音波検査を受けた12頭のフェレットのうち、研究期間中に副腎のサイズが大きくなったフェレットはおらず、薬剤の副作用も観察されなかった〔Wagner et al. 2001〕。しかし、デスロレリンのインプラント製剤が利用できるようになったことで、フェレットの副腎皮質疾患の治療の選択肢が大幅に改善されました。最初の研究報告では、3mgのデスロレリンのインプラントに対する15頭のフェレットの臨床反応が評価された〔Wagner et al.2005〕。全てのフェレットで臨床徴候の改善が観察され、ステロイドホルモンの低下は、治療後1ヵ月以内に認められた。臨床徴候の再発は、15頭全てのフェレットで観察され、再発までの平均期間は13.7±3.5(8.5~20)ヵ月であった。同じ著者による最近の研究では、市販の4.7 mgデスロレリン インプラントが評価された〔Wagner et al.2009〕。30頭のフェレットでは、3mgのインプラントを使用した以前の研究と比較して、治療により臨床再発までの平均時間が17.6±5(8~30)ヵ月と延長された。ステロイドホルモンの血漿濃度は、移植後2ヵ月以内に減少した。しかし、継続的な腫瘍増殖と腫瘍転移が両方の研究で観察された〔Wagner et al.2001,Wagner et al.2009〕。最近の研究では、副腎皮質疾患のフェレットに対して4~7mgの酢酸デスロレリンのインプラントのみ(n=35)と副腎切除のみ(n=28)による治療を比較した〔Lennox, Wagner 2012〕。臨床再発までの平均期間は、副腎の摘出群(13.6ヵ月)よりもデスロレリン群(16.5ヵ月)の方が長かった。インプラントを受けたすべてのフェレットは、治療に対する最初の反応を示したが、1頭のフェレットは3ヵ月後に再発した。著者は、手術と同様に、デスロレリンのインプラントによる治療の失敗が観察されていると警告している。Schoemakerら(2008a)の症例報告では、9.5mgのデスロレリンのインプラントが、コルチゾールとアンドロゲン過多の副腎疾患の5歳の避妊済みフェレットに使用され、3週間以内に全ての臨床徴候が消失し、3ヵ月以内にステロイドホルモン値が正常になった〔Schoemaker et al.2008a〕。Prohaczikら(2009)の報告では、副腎皮質疾患の避妊去勢されフェレットに、4.7mgの酢酸デスロレリンを1回インプラントを施され、エストラジオール濃度は減少し、全てのフェレットは治療後 19~21ヵ月で臨床症状は正常に戻った〔Prohaczik et al. 2009〕。 4.7 mg のデスロレリンのインプラントを受けたフェレットの副腎容積を評価する調査においても、長時間作用型酢酸デスロレリン製剤が、副腎腫瘍の発症を減少するに効果的である可能性を示唆されています〔Schoemaker 2016〕。
フェレットの避妊去勢手術は繁殖を阻止し、体臭を減らし、持続性の過剰エストロゲンによるメスの骨髄抑制を防ぎ、攻撃的な縄張り行動を減らすのに役立ちます。しかし、生殖腺摘出手術は性腺を除去した際の視床下部と下垂体における生殖腺への負のフィードバックが失われるため、副腎皮質機能亢進症のリスクの増加と関連が懸念されています〔van Zeeland et al.2014〕。未去勢のオスのフェレットに4.7および 9.4mgの酢酸デスロレリンのインプラントを施すと、テストステロン濃度、精巣量、体臭を減少させ、効果は最大16ヵ月持続し、副作用は認められませんでした〔Schoemaker et al.2008b〕。未去勢のオスのフェレットにおいて、4.7mgの酢酸デスロレリンのインプラントを施すと、最大43か月間の発情抑制が実証された報告もあります〔van Zeeland et al. 2014〕。
卵巣遺残の治療における GnRHアゴニストの使用は文献に記載されていませんが、手術が選択肢にない場合は、本薬剤の治療効果があるかもしれません。卵巣遺残が疑われるメスのフェレットの治療において、酢酸リュープロリドの1ヵ月型の定期的な注射で成功させた例があります。
ウサギ
ウサギにおけるリュープリンの長期的な繁殖抑制に関するデータは乏しく、デスロレリンのインプラントの研究が多少散見されるくらいになります。しかし、その有効性については文献間で重大な矛盾が存在しているのも事実です。10頭の性成熟前の非去勢オスのウサギに4.7mgのデスロレリンのインプラントを1回投与した所、テストステロン濃度と精子形成は、年齢を一致させたコントロール群と比較して90日以上観察しましたが、減少しませんでした〔Goericke-Pesch et al. 2015〕。しかし、未去勢のオスウサギの症例報告では、4.7mg のデスロレリンのインプラントによりテストステロンが最初に上昇し、その後7ヵ月間で濃度が低下し、精巣サイズも50%減少し、精液も分析されませんでした〔Arlt et al. 2010〕。これはインプラントが生殖腺摘出手術の適切な代替手段ではないのか、あるいは投与量を増量させるべきか、課題が残りました。生後60日齢の無傷のメスのウサギにおける4.7mgのデスロレリンのインプラントの避妊効果を調査した報告では、発情は少なくとも 9ヵ月間抑制され、インプラントが除去された後に再発しています〔Geyer et al. 2016〕。そして、4.7mgのデスロレリンのインプラントを施されたウサギの半数以上が、2歳前までに子宮内膜炎または子宮内膜増殖症を発症しています〔Geyer et al. 2016〕。したがってこれらのインプラントは、ウサギの子宮の新生物の長期的な予防には適していない可能性が指摘されています〔Schoemaker 2016〕。
ウサギへの子宮腺癌への対応
シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)は、多くの腫瘍で過剰発現し、発癌過程に関与する酵素です 。ウサギの子宮腺癌におけるCOX-2の発現を調査し、その結果、調査した30例すべての子宮腺癌組織において、正常または過形成の子宮内膜と比較してCOX-2が有意に過剰発現していることが判明しました 。追跡調査が可能であった少数例において、外科手術単独で治療されたウサギと比較して、外科手術後に選択的COX-2阻害薬であるメロキシカムを投与されたウサギの生存期間がより長かった報告があり〔Vaccaro et al.2024〕、転移も十分にあるこのようなウサギの症例に対して、友好的な対応策の一つとしてあげられています。
■Vaccaro E et al.Immunohistochemical Investigation of Cyclooxygenase-2 Expression in Rabbit Uterine Adenocarcinoma and the Potential Use of COX-2 Inhibitors in Cancer Therapy. Animals14(22), 3169.2024
副腎疾患ならびに副腎腫瘍はウサギでの発生は稀です。高齢の避妊・去勢済みウサギにおいて、攻撃性、尿スプレー、不適切な乗駕行動、顎下腺の擦り付けといった、過剰な性ホルモンに起因する行動が報告されています 。診断は、避妊・去勢済み個体における血清テストステロン値の上昇によって裏付けられ、超音波検査で副腎の腫瘤が確認されることもあります 。治療はデスロレリン、リュープロライド、フィナステリド、トリロスタン、またはフルタミドを使用した治療がウサギで試みられ、結果は様々でした。去勢手術後に7歳の去勢オスのウサギで、テストステロン濃度が高く、右副腎の副腎皮質過形成が認められ、酢酸リュープロリドを100~200μ/kg IMで1ヵ月間反復注射することで治療され、臨床徴候が軽減された報告はありました〔Lennox, Chitty 2006〕。また、疾病治療ではないですが、リュープリンは人の婦人科手術における癒着予防として、いわゆる術後の組織反応性や線維化を低減させる目的で、低エストロゲン状態を誘導するためにウサギにおいて研究されています〔Marshburn et al.2004〕。なお、リュープリンの承認申請のために実施された試験では、妊娠6日目のニュージーランドホワイト種のウサギに0.00024 mg/kgという低用量(人の用量を下回る)のリュープリンを投与したところ、用量依存的な主要胎児奇形の増加が認められ、胎児死亡率の増加と胎児体重の減少も観察されなした 。そのため、リュープリンは妊娠中または妊娠の可能性のあるウサギに対して絶対的禁忌とされています〔LUPRON DEPOT® 〕
モルモット
モルモットは他の全ての哺乳類GnRHとは異なる、2つの独特なアミノ酸置換を持つ独自のGnRH(gpGnRH)を有していることが重要な発見として報告されています〔Grove-Strawser D et al.2002〕。特に、アミノ酸配列の2番目の位置における置換は、GnRH受容体への結合と活性化に重要であるとされています 〔Grove-Strawser D et al.2002〕。モルモット独自のGnRH配列と、それに伴うモルモットGnRH受容体の変化が、リュープロレリンやデセロレリンのような哺乳類GnRHアゴニストのモルモットにおける効果を予測しにくく、あるいは効果が限定的である可能性を示唆しています 〔Grove-Strawser D et al.2002〕。さらに、gpGnRHは野生のモルモットにおいて哺乳類GnRH(mGnRH)と並行して発現しており、単一の種内で複数のGnRHバリアントが存在するという概念を裏付けています〔Montaner AD et al.2002〕 。
オスの成体モルモット 5頭において、4.7mgの酢酸デスロレリンのインプラントは、精巣の容積、オスの行動、またはテストステロン濃度に影響を及ぼさず、オスの生殖能力を維持しました〔Forman et al.2016〕。Kohutovaら( 2015)の研究では、15頭のメスのモルモットで4.7 mgのデスロレリンのインプラントが評価された。発情徴候が12ヵ月にわたって観察され、膣閉鎖膜の開口部が変化し、長期化したため、膣感染症のリスクが高まることが懸念されました。プロゲステロンは減少しましたが、エストラジオールは高値のままでした〔Kohutova et al.2015〕。
モルモットは一般的に卵巣嚢腫が多発します〔Schoemaker 2016〕。ゴナドレリン二酢酸四水和物(Cystorelin)を、モルモットに25μg/頭 を2週間ごとに2回注射することが、治療に提案されています〔Mayer 2003〕。効果がない時は卵巣網嚢腫または傍卵巣嚢胞と思われます。4~7歳の未経産雌のモルモット11頭を対象とした研究では、4.7mgのデスロレリンのインプラントを1回移植しても、16週間のモニタリング期間中に卵巣嚢腫のサイズが縮小することはありませんでしたが、副作用も認められませんでした〔Schuetzenhofer et al. 2011〕。15頭のメスのモルモットを対象に、避妊のために4.7mgのデスロレリンのインプラントが有効であったと示唆されていましたが、移植から10ヵ月後の超音波検査および組織学的所見では、卵巣嚢腫、嚢胞性子宮内膜増殖症、腺筋症、および子宮頸部肥大と過形成が診断されました〔Kohutova et al 2016〕。これらの報告を見ると、現時点ではメスのモルモットにおけるデスロレリンのインプラントは推奨することはできません〔Schoemaker 2016〕。モルモットが独自のgpGnRHを持つにもかかわらず 、デセロレリンが卵巣嚢腫に対して効果を示していた例があったことも意外ですが、これは、モルモットのGnRH受容体が哺乳類のものとは異なるものの、デセロレリン(哺乳類GnRHアゴニスト)が脱感作に必要な相互作用を十分に起こしうることを示唆していたのかもしれません。このことは、受容体の違いがアゴニスト結合の絶対的な障壁ではないか、あるいはデセロレリンの持続放出という特性が、低い結合親和性を補って脱感作を誘導できる可能性を示唆しています。
マウス
リュープリンは、マウスの思春期抑制において効果が確認されています。3週齢からリュープリンの投与を開始した雌マウスにおいて、思春期の発現である膣開口が有意に遅延しました〔Faria Oliveira et al.2024〕。そして、リュープリン投与群のマウスは体重が増加しましたが、卵巣重量は減少しました〔Godiwala et al.2023〕 。
ラット
デスロレリン 4.7mgのインプラントは、ラットの発情を抑制し、妊娠を防ぐことが示されています〔Alkis et al. 2011,Cetin et al.2013,Grosset et al.2012〕。38頭のオスとメスのラットを対象とした研究 〔Grosset et al.2012〕では、4.7 mgのデスロレリンのインプラントがメスの発情を停止し、少なくとも 7ヵ月間は不妊状態でした。成体のオスの Sprague-Dawley ラットは、1.1mg のデスロレリンのインプラントで治療され、精巣の大きさを縮小し、ゴナドトロピン濃度を低下させました。また、乳腺腫瘍の治療のためのリュープリンデスロレリンのインプラントなどの使用が報告されています。55日齢のメスのSprague-Dawleyラットをリュープリンまたは卵巣摘出術で処置した実験的研究では、7,12-ジメチルベンズ [a] アントラセンによって誘発された乳腺腫瘍の発生率は30%にしか低下しませんでした。未治療のコントロールでは78%、一方、卵巣摘出ラットでは腫瘍は発生しませんでした〔Hollingsworth et al. 1998〕。Jettら(1999)の報告では、100μg / kg /日で数週間のリュープロライドは、乳腺発癌の抑制において外科的卵巣摘出術と同じくらい効果的でした〔Jett etal。1999〕。Vergneau-Grossetら(2016)では、乳腺線維腺腫のラット 54 頭中2頭にデスロレリンのインプラントが使用されましたが、症例数が少ないため、著者らはラットのこの形態の新生物に対するデスロレリンの有効性に関して決定的な結論を出すことができませんでした 〔Vergneau-Grosset et al. 2016〕。
海獣
カリフォルニアアシカとカリフォルニアラッコにおいて、1ヶ月間持続するリュープリンの筋肉内投与することで、雄の攻撃性、食欲不振、過剰な発声などの発情行動を抑制することに成功しました。アシカの年齢は10歳から23歳、体重は182kgから251kgで、6ヶ月間、毎月22.5mg(0.09~0.12mg/kg)のリュープリンを投与しました。ラッコはの年齢は3.5歳から6歳、体重は20~33kgであった。毎月3.75mg(0.11~0.19mg/kg)のリュープリンを投与しました。顕著な精巣萎縮が全てのカワウソに見られ、テストステロン値も低下しました。しかし、アシカ1頭とラッコ2頭は、中等度から重度の食欲不振と抑うつ症状を呈し、注射部位の跛行、疼痛、腫脹を呈した〔Calle et al.2013〕。
鳥類への応用
鳥類の生殖疾患に対する外科的治療は、全てか上手くいくとは限りません。卵管脱や卵管閉塞などの特定の疾患は外科的治療で治癒できますが、卵巣を完全に摘出できない鳥では、持続的な卵巣活動による卵黄体腔炎などの二次的合併症が発生しやすくなります。特に小型鳥類の患者においては、手術に伴う重大な麻酔リスクが高くなります。したがって、生殖活動の誘発を最小限に抑えるたに、飼育環境の見直しと、卵巣活動と排卵の継続を防ぐための薬物療法が必要になる場合が多々あります。鳥類の生殖生理は、哺乳類と同様に、視床下部-下垂体-性腺系によって制御され〔Ubuka et al.2011,Mans et al.2008〕、他の脊椎動物と同様に、GnRHが視床下部によるゴナドトロピン分泌制御を担う主要な因子となります〔Bedecarrats et al.2006,Dunn et al.1998〕。一般的に使用されている長時間作用型合成GnRHアゴニストである酢酸デスロレリン、酢酸リュープロレリンの鳥類における完全な生物学的効力は不明ですが、種間の有意な差も考慮した上で使用しています。2歳の産卵鶏において、デスロレリンインプラント(4.7 mgまたは9.5 mg)を皮下投与したところ、2週目までに産卵が完全に停止しました。 4.7mgインプラントを投与された鶏では、産卵が約180日間、9.5mgインプラントでは約319日間抑制されました〔Nooan et al.2012〕。しかし、メスのニホンウズラを用いた研究ては、デスロレリンインプラントは鳥の60~78%にしか効果を示しませんでした〔Petritz et al.2013a,Petritz et al.2013b,Schmidt et al.2013〕。リュープリンは鳥類において1ヵ月製剤が最も多く使用され〔Mans et al.2008〕、非繁殖期のミミグロボウシインコに800µgを筋肉内投与したところ、血漿性ホルモン濃度が21日未満低下した〔Klaphake et al.2009〕。繁殖期開始前にリュープリンを投与したオカメインコでは、対照群と比較して産卵が12~19日遅れました〔Millam et al.1994;〕。リュープロレリンを1456µg/kgまたは4368µg/kgで投与した場合、繁殖期開始に有意な遅延が認められたが、476 µg/kgで投与した鳥では有意な反応は認められませんでした〔Millam et al.1994〕。レース鳩に500µg/kgおよび1000µg/kgで投与しても、産卵数や血漿性ホルモン濃度には影響が見られませんでした〔De Wit et al.●,Cowan 2014〕。鳥類では100~1200µg/kg〔Hawkins et al.2012〕、特に400~1000µg/kg広範囲の用量が報告されています〔Mans et al.2013,Mitchell 2005〕。慢性発情以外にも卵巣腫瘍や精巣腫瘍にも使用され〔Keller et al.2013,Nemetz 2012〕、オカメインコの卵巣腫瘍の緩和治療には、1500~3500µg/kgという高用量が使用される症例もあります〔Nemetz 2010,Keller et al.2013〕。オウム類における入手可能な情報に基づくと、2~3週間ごとの反復投与が推奨されています〔Hawkins et al.2012,Keller et al.2013〕。リュープリンの3ヵ月および4ヵ月タイプの臨床使用については事例報告があるものの、その効果持続期間に関する保証か低いとされています。酢酸リュープロレリンは安全な治療法と思われますが、同じバイアルから酢酸リュープロレリンを投与された2羽のフクロウ(Micrathene whitneyi)にアナフィラキシー反応が疑われ、死亡したという報告は1件ありますが〔Stringer et al.2011〕、どちらの鳥も、致死的な合併症が発生する前に、複数回のリュープロレリン注射を受けていました〔Stringer et al.2011〕。逸話的に、酢酸リュープロレリンの有効性は長期反復投与後に低下します。
そして、オウム類におけるデスロレリンの使用を評価した文献の多くは少ないですが、一般臨床では数多く行われ、有用とされています〔Nemetz 2012,Straub 2013,Van Sant 2013〕。Van Santは32羽のオウム類を慢性産卵症の治療に使用し、4.7mgのデスロレリンインプラントを投与したところ、全羽で約3ヵ月間産卵が抑制されました。ホルモン産生性性腺腫瘍を有するセキセイインコに関する報告では、9例中7例で蝋膜の色(褐色から青色)に基づく治療反応が報告されています〔Straub 2013〕。卵巣腫瘍を患った成鳥のオカメインコにおいて、リュープリンによる治療に抵抗性となった腫瘍に対し、デスロレリン4.7mgをインプラントとして約2年間投与し、病状を管理したという報告があります〔Nemetz 2012〕。レビューしたすべての文献において、いずれの研究でも重大な副作用は報告されていません。デスロレリンインプラントによる後遺症として最も可能性の高いものの一つは、性ステロイドの産生が抑制されることで同化作用が低下するため、体重減少と考えられています。その他の副作用としては、インプラント部位の腫脹や自傷行為〔Van Sant 2013〕が挙げられています。推奨されるインプラント部位は、肩甲骨中央部の皮下ですが〔Petritz et al.2013,Schmidt et al.2013〕、セキセイインコの場合は、膝関節周囲(膝窩部)の皮下も使用できます〔Straub 2013〕。インプラント設置の最も一般的な副作用は、治療の失敗です。皮膚切開の場合切開閉鎖には、結紮糸または組織接着剤のいずれかを使用できます。古いインプラントの除去は不要ですが、交換時にかなり容易に行うことができます。体重50g未満の小型鳥類では、インプラントを半分に切断して移植を容易にすることもできます。 ただし、インプラントを半分に切断することで効果の持続期間が短縮されるかどうかは現在のところ不明です。4.7mgインプラントの平均作用持続時間は約3か月、9.5mgインプラントは、より長い作用持続時間を達成する可能性があります。種によって顕著な差があります。鳥類へのインプラントの移植を受ける時は、インプラントを挿入する際の動きに伴うストレスや外傷を防ぐため、短時間の麻酔を行うべきです。皮膚切開部から脱落するのを防ぐため、頭側から尾側に向けて行います。
動物種 | 目的 | 薬用量 | 参考文献 |
鳥 | 慢性産卵 | 400 mcg/kg IM 30日毎 (300g以下の鳥) | Mitchell 2005 |
750μg/kg IM 2週毎3回(300g以下の鳥) | Zantop 2000 | ||
500 mcg/kg IM 2週毎3回(300g以上の鳥) | Zantop 2000 | ||
モルモット | 卵巣嚢種 | 100μg/kg IM 3週毎 | Oglesbee 2011 |
フェレット | 副腎疾患 | 100μg/kg IM 6週毎 | Mitchell 2005 |
100‐250μg/kg 4週毎 症状が改善するまで、その後は必要に応じて4-8週毎 | Johnson 2006 | ||
イグアナ | オスの発情抑制 | 100μg/kg IM 4週毎 | Mitchell 2005 |
参考文献
- Agnew MK,Asa CS,Franklin AD,McDonald MM,Cowl VB.Deslorelin (Suprelorin) use in north American and European zoos and aquariums:taxonomic scope,dosing,and efficacy.J Zoo Wildl Med52:427-436.2021
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