毛咬症
自分の毛を咬む毛咬症は、自らの被毛を咬む場合と複数で集団生活をしている同居個体から咬まれる場合があり、英語でバーバリング(Barbering)、自ら咬むことをセルフバーバリング(Self-barbering)と呼ばれます。モルモットでは比較的多く見られます。

原因
自らの毛咬症は、外部寄生虫やストレスが多いです。ストレスの原因は過密飼育や騒音、あるいは社交不足(退屈)、その他にも餌の繊維質やビタミン不足、そして、シラミやダニなどの外部寄生虫、膀胱炎や尿路結石、卵巣・子宮疾患などの基礎疾患でも起こります。自ら被毛を咬んでいると、毛咬みした部分の毛は短く不揃いになり、途中で毛が切れていますが、皮膚には炎症や痒みも起こりません。毛咬みが自己によるものであれば、口が届く脇腹や後半身に発生することが多いです。同居個体による場合は、社会的に優位個体が下位個体に支配の目的で行うことが多く、また母親も子の毛咬みをすることもあります〔Manning et al. 1984〕。このような時には、自ら口が届かない頭部などにも毛咬みが見られます。

診断・検査
特異的な毛の状態、飼育状況などから暫定的に診断し、皮膚検査で外部寄生虫ならびに感染症を除外します。
治療
治療は原因や発生要因を除去する必要がありますが、ストレスであると多くは特定できません。対応として、複数飼育であれば隔離をし、自らの毛咬みであれば、一時的にエリザベスカラーを装着すると発毛するのを待ちます。

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参考文献
Manning PJ,Wagner JE,Harkness JE.Biology and disease of guinea pigs.In Laboratory Animal Medicine. Fox JG,Cohen BJ,Loew FM eds.Academic Press.Olando FL:p149-177.1984