ヒメカメレオン属(Brookesia:ブロケシア)は、マダガスカル固有種です。カメレオン科の中で最も原始的なグループの一つとされています。
小型
ほとんどの種が数cmの小型なカメレオンです。世界最小のB.nana(ナノヒメカメレオン)が含まれており、爬虫類の中でも最小種です。マダガスカルのような島嶼部では、限られた資源の中で生き残るために島嶼小型化や特定の微細な環境に適応する進化が起こります。体が小さいことで、他の動物が利用できないほど小さな餌を独占でき、隠れ場所も容易に見つかる利点か多いです。

リーフカメレオン
ブロケシア属のほとんどが基本的に陸生です。尾が短く、巻き付ける能力(把握力)が低いものが多いです。主に林床の落ち葉が積もった場所に生息しています。そのため、彼らの体色は周囲の落ち葉や小枝にそっくりな褐色系が主です。また、背中や目の上に棘状の突起を持ち、輪郭をぼかすことで落ち葉の破片のように見せています。この体色と突起、あるいは平らで幅広い体形など、その種独特の形状が合わさることで、まるで落ち葉や枯れ枝の一部のように完璧に風景に溶け込むことができるのです。危険を感じると足を畳んで動かなくなり、文字通り枯れ葉として地面に転がります(防衛反応)。
学名
多くは過去30年以内に科学的に特定されたばかりで、学名が未だに付けられていない種も数多く存在することが知られています。ほとんどの種はアクセスが困難な地域の非常に狭い範囲に生息しており、その小型さと隠蔽性のため、大型の近縁種に比べて研究が比較的進んでいません。そのため、捕獲されても種類が不明なことから、ブロケシアのカメレオンと言う総称で呼ばれることも多いです。
語源
属名のBrookesiaはイギリスの博物学者ジョシュア・ブルックスにちなんで名付けられました。
保全状況
ブロケシアは撹乱の少ない河畔林や撹乱の少ない熱帯雨林に豊富に生息しています。一方、撹乱の大きい森林では、焼失からの回復期にあるブロケシアは稀少です。ほとんどのブロケシア属はワシントン条約附属書IIに掲載されていますが、唯一の例外は附属書Iに掲載されているB. perarmataです。
種
ブロケシア属には、32種が認められています。以下はその代表種になります。
ミクロヒメカメレオン(B.micra)
かつて世界最小の爬虫類とされていました。
ナノヒメカメレオン(B.nana)
2021年に報告され、現在世界最小の爬虫類の有力候補です。オスは体長約13.5mmです。
シュトゥンプフヒメカメレオン(B.stumpffi)
比較的流通することもあり、角のような突起を持っています。
